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1~25課 26~50課
2017年4月、サイトをリニューアルしました。
新サイト:日本語教師のN1et ➔教案ページ ➔授業のコツ
教案や一覧はみんなの日本語2版対応(情報量は倍以上に)、ブログページの新設など様々な面で改良しました。
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・案内します:×人を 〇場所を
・<場所>へ 連れて行きます
・<場所>まで 送ります (L7:手紙を送ります)
・連れて行く:人を (L24:物を持って行く)
・全部:「ここにあるリンゴは全部10円だ」
全部で(L11)は「10円+10円+10円=全部で30円だ」
1.授受表現は三回 L7 「Nをアゲモライ」のみ (上下ウチソトは省) L24 「L7」+「Nをクレル」+「Vテアゲモラクレ」(上下ウチソトは省※例外文あり) L41 「L24に上下ウチソトを加えたもの」 参.授受動詞 2.テモラとテクレは言ってる事は同じで、主語が違うだけ(助詞の変化や視点・話者の発話の意図は違うので注意) 3.学生はこの文型をなかなか使わない。これがどれだけありがたい文型かをしっかり説明する。例えば「友達が薬を買いました」といえばいいじゃないか!とSは思うかもしれないが、それだと感謝の気持ちが出ない 4.上下ウチソトの待遇表現は扱わないので、課を通して「社長」「店長」「先生」などを主語にしないように 5.テアゲ・テクレの授ける意味には人称の制限があるが、受けるテモラにはない。しかし、これには例外があり、またその中でも例外があるので、よく調べておくこと 6.て形はしばらくぶりなので、FCでよく練習すること 7.視点や主語の話ができれば楽なのだが、そうもいかないので、PCなどで理解を図ること ※1.上下(先生に)ウチソト(私の娘に)は扱わないが、やはり練習中に出てくることはある。最初に「その使い方は今日しない。今日は友達と自分との授受だけだから言わないでね」と言っておいても構わない。さらに、そんなときのために、「あえて」最初に先生を出し、「これを使うとイタダキマスというまた違った言葉になるから、今日はこの言葉だけを使おうね」と言ってしまっても構わないし、誤用訂正の手間も減る。しかし、教科書B-4や標問に、一か所だけ、主語に「先生」をとるところがある。そこで使っている動詞が「教える」。「先生に教えてもらいました」という一文がある。これは敬語の種類から見て、話題の敬語ならば、「教えていただきました」となるが、対話の敬語で、単に事実を述べるだけならOK。 ※2.教科書L24では「●三人称は三人称に~」は扱ってない。●の文は絶対に提出しないように! |
だらだらと長文になったが、まとめると
①L24内での先生や社長の人称名詞は用いない
私は先生にお菓子をもらった(←提出しない)
②「●三人称は三人称に~」は授業内では提出しない。標問にあるものは、添削後質問があればそのSにだけ解説
彼は田中さんにお菓子をあげた(←教えない)
③TはL24内で行われる授受行為に絶対に加わらないこと
この3点を守ればSの学習、Tの教授、両面で問題が生じることはなくなる
8.贈り物として縁起が悪い時計
中国では掛け/置き時計は贈り物として縁起が悪い。時計の中国語は『鐘(zhong)』、時計を送ることは『送鐘(song zhong)』と発音し、送衷(song zhong・告別式)と同じ発音なのだ。他にも『傘(san)、扇(shan)』=散る、離れる。台湾はもう一つ、ハンカチが台湾語発音では『手巾』となる。『巾』と『筋』は同じ発音なので、ハンカチを送ることは『斷筋(葬式のお返し)』と同じ発音であることに注意。
中国人onlyのクラスなら止めた方がいいかもしれないが、あえて提出し、日本は(当たり前だが)気にしないことを教える事もできる。ちなみに、腕時計なら問題ないらしい
A-1 人は私にNをくれます 1. 【話し手→他の人】物を与える場合はL7アゲマス 【他の人→話し手】クレマス ※アゲマスを使うと、自分を高めることになるので使わない 2.最近学生に実際に何かもらっているなら、それを使う |
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◆まずはSSで授受を交わさせ、L7あげます・もらいます復習 ※TはL24内で行われる授受行為に絶対に加わらないこと T:S1さん、このペン(S1の持ち物)をS2さんに。どうぞ S1:どうぞ S2:ありがとう T:S1さん、私は? S1:私はS2さんにペンをあげました(正確には貸しているのだが、目を瞑る) T:S2さん、私は? S2:私はS1さんにペンをもらいました ここで一度板書し、L7を復習していること、既習であることを確認 T:じゃ、S2さん、S1・さ・ん・は? S2:S1さんは??? T:S1さんは私にペンをく・れ・ま・し・た。です 念のためもう二回ぐらいSSで授受を行わせ、その後に適切なPCや人物カードを用いて視点の違いを述べる。 クラスのレベル、雰囲気にもよるが、ど頭で視点の話をされても理解不能なクラスもあるので、難しい説明は後回し、クレマスを入れる「だけ」入れて、さっさと練習し、次の「人がクレマス」と進めてしまってもいい(視点の話は忘れないようにすること) 友達 は 私にワインをくれました ↑ 「私」は絶対ダメ B-1「もらう・くれる」を一枚のPCで言わせる 私はイーさんにプレゼントをもらいました イーさんは私にプレゼントをくれました |
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A-2 人がくれます 「私に」の省略 1.面倒なのがこの助詞ハ→ガである。なぜ助詞が変わるのか、必ず質問が来るので、わかりやすく説明できるように例文などを用意しておく |
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◆誕生日やクリスマスに上下のある人から何かもらうことはあまりないため、状況設定としてそれらを使う。Sの誕生日が書かれたリストを作って、誕生日を板書→そのSに発話させる。まずはTの誕生日→Sの誕生日でやる T私は誕生日に色々な物をもらいました。 これは父の時計です。父がくれました これはイギリスの靴です。母がくれました これはシャネルのシャツです。友達がくれました T:今日は・・・S1さんの誕生日ですね。誕生日に何をもらいましたか S1:私は父に時計をもらいました T:私は父に。父は? S1:父は私に時計をくれました T:父が ◆学生同士で物を授受させ、Tが「あげもらくれます」をcue、 C-1 ◆物を指し、人の名前を与え文作させる T:S1さん、いい時計ですね。だれがくれましたか。父 S1:父がくれました ◆↓で定着したか確認 ①私は Aに プレゼントを あげます 私 → A 「に」はto ②私は Aに プレゼントを もらいます 私 ← A 「に」はfrom ③Aは 私に プレゼントを くれます A → 私 「に」はto ②=③ |
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A-3 私は 人に Nを Vてあげました 先生、私の家族の写真を見せてあげます ※同時に「見たいですか」もダメだと教授 1.物の移動(私は彼に本を貸してあげました)と、行為の移動(私は彼にピアノを弾いてあげました)両方提示する 2.まだ助詞の難しいものは提出しない。A-3時点ではとにかく基本的な助詞の働きを定着させるため、物と行為の授受に限って練習 |
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◆SSでドウゾアリガトウを言わせ、それを取り上げて感謝を示す S2:S1さんはおなかが空きましたか。じゃごはんを買ってあげます。どうぞ S1:ありがとうございます T:S1さんはアリガトウと言いました ◆上で物をもらって感謝を示した。次は物ではなく、行為で。事前に寿司が嫌いな子を見つけておき、その子の机に★寿司を置いておく T:S2さんは寿司が好きですか。そうですね。嫌いですね。じゃ、S1さん、食べてください (↑寿司はS→Tで移動しているが、行為はT→Sである事をGで示す) ★FCて形 貸す・教える・読む・説明する・作る・電話する・歌う・見せる・売る・買う 取ります・持ってきます・持って行く・持ちます・作ります・書く・コピーする B-2 |
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A-4 私は 人に Nを Vてもらいました 1.話し手のために他の人が好意をもって行ったことを、話し手の側から述べるときに用いる 2.「~に(Vテ)もらいます」の「に」と「から」の使い分けに注意。「母から働いてもらいました」などのはっきりとわかる非文を提示する。 |
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私は父に お金を送ってもらいました 自転車を直して 先生に作文を直して LCて形 貸す・教える・読む・説明する・食べる・手伝う・撮る・洗う・入れる・直す 予約する・開ける・持つ・作る・電話する・紹介する・案内する・運転する ◆タイミングはいつでもいいが、★動詞PCを見せていき『Vテ+てもらいました』が〇か×かを説明する 〇:洗濯 運転 歌う 弾く 掃除する ×:着ます 薬を飲む スキー/ジョギングをする B-3教科書ではテクレもあるが、それはせず、テモラだけ B-4 A誰に日本語を教えてもらいましたか Bおきさんに教えてもらいました (「~先生に教えてもらいました」は上下が生まれるので省いてある) C-2 A一人で来ましたか Bいいえ。田中さんに連れて来てもらいました |
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A-5 人は 私に Nを Vてくれました 1.テモラウとほとんど同じ意味で使うこともあるが、ニュアンスに違いが出ることがある。上クラスなら二つを比較、並べて提出する 2.これまで主語はワタシだったが、ここでHEに変わる 3.友達は私( )送ってくれましたという文で、( )がニにならないように注意。動詞によって助詞は何を取るか、対象が物なのか人なのかに着目させる。これをわからせる文を提示する 友達は私( )送ってくれました(駅まで) 友達は手紙( )送ってくれました 母は私( )手伝ってくれました 母は掃除( )手伝ってくれました これは、テアゲで伏せておいた《物と人の対象が違うが助詞が同じ》の事で、ここで理解を目指す |
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「てもらいます」と同じ状況を与え、文を作らせる 会話にTは出てこないように!S同士で、状況を与え、発話を促す B-3一枚の絵で2文を言わせる 私は佐藤さんに傘を貸してもらいました 佐藤さんは私に傘を貸してくれました B-5 「わたしに/を」を省略した答え方 ↑の文から全て「私」をとって練習 →「~時、~てくれました」↓ 病気の時、友達が料理を作ってくれました 子供の時、父はよく遊んでくれましたか C-3 |
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A-6 私は 人の<所有物>を Vてあげました 所有物 人は 私の<所有物>を Vてくれました 1.できるクラスならこれを最後にやらずに、A-3-4-5でまとめて説明してやってしまってもいいが、できないようなら、最後にまとめて所有物の授受を教える。混ぜて教えると助詞がめちゃくちゃになる 2.A-6は ×私は彼に荷物を持ってあげました 〇 彼の荷物 ×彼は私に荷物を持ってくれました 〇 私の荷物 というように、これまでニで勉強してきたものが、ノに変わるもので、所有物(彼の部屋・荷物など)を表す 3.この所有物は練習AやB、標問ではないが、教問などにはあるので要教授 4.「AはBに~てあげる・てくれる」Aの行為がBに利益。行為の対象となる人はニ。 しかし、「友達を手伝う・案内する・連れていく」などはB自身が直接、行為の対象となる場合で、Bはヲで表す…AはBを車で送ってあげた 私を 私に~を 私の~を |
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◆このA-6では導入などはせず、あくまでA-3-4-5で伏せてきた面倒な助詞の「使い方」を学ぶ。講義っぽくなってしまうが仕方ない ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
1.「あげる」「もらう」に比べ、「くれる」は習得しにくい。
クレルはウチソトが関係する(ヤルはL41で上下の関係)ので、例文に気をつけなければならない。
①鈴木さんが山田さんに本をくれました。
②鈴木さんが私に本をくれました。
③先生が学生に本をくれました。
④太郎は次郎に本をくれました。
①③④はアゲルとクレルの違いがわからないので、一番インパクトのある導入では必ず②のような文を用いる事
2.テクレの有益性 などは行為に対する感謝などを表すものだが、これが結局どれぐらい有益で、会話で頻出するものかは授業では伝えきれないし、これを使う学生も当分現れない。 あまりうるさく言っても無駄なので、実際の会話で学生自身が学んでいくしかない。教師が教室で教えられることは、結局助詞や視点の違いぐらいである。 3.難しいよ A6まで教えた場合の話だが、一言適切なタイミングでこの課は助詞が難しいと言ってあげた方がいい。 ここを楽々通過できる学生はそうはいない。できないクラスともなると皆苦悶の表情で難しいと言ってくる。 そこで、「ここは段違いに難しいけど、今日明日勉強して覚えられないのは当然!」と言ってあげると安堵する学生は多い |
1.もらってくれる?
ここでは絶対に教えないが、これはどういう意味なのか。
日本人は物をあげるとき、しばしば
これ、あげる
ではなく、
これ、もらって
と言う事がある。どちらも相手にもらうよう要求しているのだが、これにさらにクレルを付け加えた
これ、もらってくれる?
は、受領の要求ではなく、もらうかどうかの判断を相手に任せているのだ。
してください
の代わりに、
していただけませんか(L26B-6)
と言うのも同様である。さらに、このテクレル?には「あなたがこれを受け取ったら私は嬉しい」という気持ちをも表していることはこのL24で学んだ通りだ。
2.してくれる?
・指示:上から下
・お願い:下から上、または同等の人に対して
「もらって」とはまた違う、この「してくれる?」。
ねえ、ちょっと手伝って ねえ、ちょっと手伝ってくれる?
左は指示で、右はお願いである。右の方が軟らかく聞こえるのは、クレルが左の指示のニュアンスを打ち消し、お願いという軟らかい響きにしているのだ。
〇ねえ、ちょっと手伝ってよ ×ねえ、ちょっと手伝ってくれるよ?
終助詞ヨは、相手が知らない事柄を伝える働きがある。つまり、指示である左の文には接続し得るが、左は不可なのだ。
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【略称の意味】
T=教師 S=学生 TS=教師から学生に ST=学生から教師に G=ジェスチャー P=場所 X=文型前の言葉 Y=文型後の言葉(前件と後件ではない) FC=フラッシュカード PC=絵カード LC=文字カード WB=ホワイトボード ◆=目標・これからやる事 ★=レアリア・プリント 1gV=1グループ動詞 L51=みん日では非提出 比.=比較対象文型 参.=参考として見ておくもの 教問=教科書問題 例文=教科書の例文 手引き=みんなの日本語の手引き
標問=みん日標準問題集 秘訣=日本語の教え方の秘訣[くわしい教案と教授法]1~13課 14~25課 26~37課
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