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 41課 第三回授受 (て)いただく (て)くださる (て)やる

~ いろいろな一覧 ~
2版動詞 1~25課 2版動詞 26~50課 2版形容詞  例文

ゲーム   文型   副詞・接続詞   活用
・  助詞・助数詞・疑問詞

1~25課2版1版① 26~50課2版1版②  カタカナ  場所


2017年4月、サイトをリニューアルしました。
新サイト:日本語教師のN1et ➔教案ページ 授業のコツ
教案や一覧はみんなの日本語2版対応(情報量は倍以上に)、ブログページの新設など様々な面で改良しました。

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 新出語

・親切にします:L8のな形「親切な」同様、家族には使えない
 ×母は親切です ×母はいつも私に親切にしてくれます
しかし、これは行為が誰に向かうかによる
 〇母は誰に対しても親切です
だが、学生が言う「母は親切です」は親切心が向かう先は学生自身なので、その場合は「優しい」が適当。「優しい」は入れたければ入れる。
関係ないが、「Nにします(決定)」はL44で

・呼びます・・・ここでは結婚式などに人を招待すること
・取り替えます・・・買った品物をそのサイズや色の違うものに換える
・お祝い/お見舞い・・・~をします、~をあげます、の形で扱う
・興味:物/事/人に~があります(「趣味L18」との混同が多い)
 何(①)興味(②)ありますか。 ①=〇に ×か
 何(①)趣味(②)ありますか。 ①=×に 〇か
・かわいい:今では解釈が拡大してしまっているが、教科書では「子ども・ペット」にのみ使っている

 教師用メモ

1.授受表現は三回 
L7  「Nをアゲモライ」のみ (上下ウチソトは省)
L24 「L7」+「Nをクレル」+「Vテアゲモラクレ」(上下ウチソトは省※例外文あり)
L41 「L24に上下ウチソトを加えたもの」
ウチソトの概念は今までもあったが、特段触れたり説明したりはしなかった。この課でちゃんと教えるのがはじめてとなる
参.授受動詞

2.L7とL24で使った教材がそのまま使えそうだが、L41は上下内外が絡むので、注意

3.贈り物として縁起が悪い時計
中国では掛け/置き時計は贈り物として縁起が悪い。

時計の中国語は『鐘(zhong)』、時計を送ることは『送鐘(song zhong)』と発音し、送衷(song zhong・告別式)と同じ発音なのだ。他にも『傘(san)、扇(shan)』=散る、離れる。台湾はもう一つ、ハンカチが台湾語発音では『手巾』となる。『巾』と『筋』は同じ発音なので、ハンカチを送ることは『斷筋(葬式のお返し)』と同じ発音であることに注意。
中国人onlyのクラスなら止めた方がいいかもしれないが、あえて提出し、日本は(当たり前だが)気にしないことを教える事もできる。ちなみに、腕時計なら問題ないらしい

 教案

「もらいます」を復習 L7では目上に対する用法は扱っていなかった

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T私の誕生日パーティーをしました。
 私は 友達に 帽子を もらいました
 学生の誕生日で、何をもらったかを聞く

※既習の人の身分の語彙確認(家族呼称・役職名)
目上     社長・先生・店長
目上じゃない 友達・親
子ども・弟・妹・息子
A-1  私は~に~をいただきます

L7では「人にもらう」での人の部分に目上はこなかった。ここではようやく目上から物をもらう表現ができる。L7ではやりにくかったT→Sでの物の授受導入ができる!
 誕生日の雑談の流れで↓
T私は店長に時計をもらいました。
 私は 店長に 時計を いただきました
    先生に 
    先輩に



B-1TSQA 「もらったんです」「いただいたんです」を言わせる
Tいい帽子ですね。 見せる→ ★LCいい帽子(友達)
Sええ、友達にいただいたんです



QA TがSの持ち物を褒める
T~さん、いい時計ですね
Sええ、母にもらいました



復習 L24くれます これが一番難しい
 これは物が自分(グループ)に来るときにだけ使うもの
A-2  〈目上の人〉は/が私にNをくださいました N5 【下←上の授受】

1.じしょ形は1gVのルールだと「くださう」になるが、「くださる」が正しい形
Tもうすぐクリスマスです
 先生は 私に 時計を くださいます
 友達は 私に 時計を くれます
 弟 は 私に 時計を くれます 



B-2QA(ではないが)。誰にもらったかで、「くれたんです」「くださったんです」を使い分ける
Qきれいなハンカチですね Aええ、友達/先生がくれた/くださったんです
A-3  私は〈目下の人〉にNをやりました N5 【上→下の授受】

※このヤリマスは手引きでは「最近少しこれをぞんざいな響きを持つと感じる人が増えてきている」とあるが、少しではなく、かなりぞんざいである。犬や植物であってもアゲルを使うことは大変多い。
1.教科書ではヤリマスの対象は弟、妹、子ども、動植物に限っている

2.「差し上げます」は教科書ではひとつも出ていないが、文練、訳本には書かれている。扱いは軽く、しかし紹介だけはする

L7あげます復習

私は 子どもに おかしを やります

最近はあげますもよく使われるので、許容であるが、正しくはヤリマス



B-3絵を見て文作させる。全てヤルなので、友達なども混ぜてアゲルも練習
犬にえさをやります 友達に時計をあげます
A-4  ~に~ていただきます

1.助詞「Nに・へ・を・の」など面倒なのは次で入れる。ここではまだ導入ということで、「Nを」に限って練習(手引きの導入では「助詞へ」もあるが、B-4は全て「Nを」だし、ややこしいのは全て次に回す
◆イタダクは感謝を表す

B-4「部長の奥さんに」のようなトリッキーなのもあるので注意
A-5  ~てくださいます

1.A-4でも述べたが、ここでまとめて面倒な助詞を扱う。手引きでは、「使い分けの練習は特にしないが」と書いてあるが、教科書A-5にはバッチリ「にのを」が書かれており、教問は違いを理解しないとわからないものも多いので、必須教授事項

※「案内する」は教科書では「Pを案内する」で教えているため、ややこしい。「人を」とも言えるので、これは提出しないように!
B-5「人は私に/の/を」→「人が」
部長が会議の資料を送ってくださいました
最初の各2つはニノヲで→ニノヲ混交



C-1
A初めて日本へ来たとき、大変だったでしょう? Bええ。でも、ボランティアの方が親切にしてくださいました Aそうですか B日本語や日本料理の作り方を教えてくださいました Aそれはよかったですね
A-6  ~てやります

例えば、T→Sで「教える」行為をするならば、
 私(先生)はS1に日本語を教えてやります
は文法的にはいいのだが、非常に聞こえが悪い ×使わなければならない 〇使ってもいいと教授

1.一応教科書ではそうなっているので、ヤルの対象は子どもなどに限って教授。実際はアゲルも使われる
B-6
私は犬を散歩に連れて行ってやりました



B-7疑問詞付き練習「Vテいただく・くださる・やる」混交
Qいつワット先生に英語を教えてもらいましたか Aおととし教えていただきました



C-2
Aきれいな猫ですね Bええ、でも大変なんですよ。毎日ごはんを作ってやらなければなりませんから Aそうですか
A-7  ~てくださいませんか
参.L1~L50依頼表現まとめ
B-8



C-3
A管理人さん、すみません Bはい、何ですか Aタクシーを呼びたいんですが、タクシー会社の電話番号を教えてくださいませんか Bええ、いいですよ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 授業記録

1.今回で最後となる授受だが、定着は難しいだろう。L41以降の例文などにこっそりまぎれさせて少しずつ定着を狙う

A-1

A-2

A-3

 考察

・くれてやる
はどういう意味なのか。もちろん日本人ならばわかる。しかし、説明できるか、と言われれば難しいのではないだろうか。まずは、授受表現3種をVテと繋げ、一覧にしてみる。
×あげてやる
×あげてくれる
×あげてあげる
〇やってあげるA→B
〇やってくれるA←B
〇やってやるA→B
×くれてあげる
〇くれてやるA→B
×くれてくれる

一覧からわかることは、「あげてやる」が×で、「やってやる」が〇である違和感①。さらに、「やって~」が全部〇であるのも違和感②がある。
違和感①②もこれで説明できる。
【「やる」が「する(do)」の意味を持ってるから】
「あげる・くれる」には「give」の意味しかないが、「やる」は2つの意味がある。
では、本題に戻って「くれてやる」である。

つまり!
〇やってあげるA→B
〇やってくれるA←B
〇やってやるA→B
やる=するなので、本則通り。何の問題もない
〇くれてやるA→B
実はこれ、静岡の方言なのである。意味はアゲル。ややぞんざいに聞こえるが、静岡では普通。静岡以外では役割語として使われ、日常では使われない。
このページhttp://www.kisoya.net/omosiro2.htmにこんな一文がある
【くれてやる:他方言の人たちが聞くと、『めぐんでやる』といった、嫌なニュアンスで受け取る場合が多いようです。 『くれてやるで、もってきな』    ↓ 『あげるね、もっていっていいよ』にしましょう。】
「しんどい」が標準語になったように(元は大阪弁)、「くれてやる」も「あげる」の意味で浸透したのだと推測できる。



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【略称の意味】
T=教師 S=学生 TS=教師から学生に ST=学生から教師に G=ジェスチャー P=場所 X=文型前の言葉 Y=文型後の言葉(前件と後件ではない) FC=フラッシュカード PC=絵カード LC=文字カード WB=ホワイトボード ◆=目標・これからやる事 ★=レアリア・プリント 1gV=1グループ動詞 L51=みん日では非提出 比.=比較対象文型 参.=参考として見ておくもの 教問=教科書問題 例文=教科書の例文 手引き=みんなの日本語の手引き  標問=みん日標準問題集 秘訣=日本語の教え方の秘訣[くわしい教案と教授法]1~13課 14~25課  26~37課  38~50課 
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