新しい参考書を手に取ったとき、まずすることは『前書き』の熟読です。本によって「はじめに」や「この本を使う方へ」など呼び方は様々あれ、それがない参考書はありません。その本で何をしようとしているのか、何を養おうとしているのか、それがわかればどんな初見の本でもゴールが分かっているのですから自然とやり方も見えてきます。また、そこを読むことで教師間での協力も繰り返しになりますが互いのゴールが見えているのですから円滑に行うことができます。
ということで、以下の参考書を手に取った際はまず『前書き』をよく読んでおきましょう。
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こちらのページの他に
聴解テキスト 読解テキスト 語彙テキスト 文法テキスト 問題集
というページも作りました。こちらのおすすめ参考書にないものの授業での使用感や不満点を紹介しています。
◆説明 みんなの日本語初級I 第2版 教え方の手引き 『みんなの日本語 初級I 第2版』を使って教える人のための指導書です。 2部構成で、第1部では、『みんなの日本語初級I第2版』で用いられている用語、1課の構成と内容、基本的な授業の進め方、復習問題について、第2部では、各課の教え方を授業の流れに沿って具体的に紹介しています。 付属のCD-ROMには、文法項目、語彙、助詞、形容詞の一覧や、動詞のフォームの表、練習C・会話のイラストなど、授業に役立つ資料が満載です。効果的な授業を行うために、本書をぜひお役立てください。 発売日: 2016/5/16 |
◆説明・感想 できる日本語 初級 『何ができるようなるのか』に重点をおいた教科書。ちゃんと使い方を理解し授業を行えば効果の高い教科書。 それから、授業のはじめと終わりに当日の課題を提示するのを忘れないように。可能ならプロジェクターでイラストをWBに映し出して使うとなおよし。 初級、初中級、中級までがある。みん日から移行する方のために、分かりやすく言うと 初級(赤)~初中級(黄):みん日50課相当 中級(青) :いわゆる中級のテキスト相当 それぞれ中身検索もあるので、見てみるといい。青からぐっと雰囲気が変わっているのがわかる。赤と黄はみん日で扱う文型も多くあるので、移行しても教材はある程度そのまま使えるものも多いが、語がかなり違うのでそこは注意が必要。それから移行組の注意点として、赤~黄とみん日Ⅰ~Ⅱでは当然文型の提出順序が違う。例えば、みん日には「~ことになっている(規則)」がないが黄にはある。 赤から青まで通してやってみるとこの本のすばらしさに圧倒される。まず、みん日にもあるストーリー性(課をまたいだ繋がりや人物)がこちらの方が強い。そして、繰り返す事の重要性もよく理解されてとても丁寧に作られているので、例えば『自己紹介』という題材で教える場合、赤なら1課、クラス内の会話で出身や所属を、黄なら1課、バイト先で好きな事やできる事を、そして青1課は交流会などでの会話で高度な、相手に自己を印象付け、性格なども言える紹介を扱う。一概に『自己紹介』といってもこれだけ豊富な場面、さらに扱う文型もあるのだ。 それから、文型の持つ役割をきっちり分担されているのも学習者にとっては混乱を避けながら理解するのに大変有効である。「~そうです」を例にとってみると、 初15-1 そうです(伝聞) 初中2-1 Aそうです(様態) 初中6-2 ~そうです(予測) 初中9-2 Vそうです(直前の様態) 初中10-2 AそうV(副詞的用法) と分けられている。これはみん日ならばL43で一気に(様態・直前・予想)を教えるため混乱必至となる。 この文型の分担は教師にとっては文型や教材整理の手間になるが、教師の手間など学生の理解のためなら二の次三の次なのでまったく問題ない。 ◆併用教材 教え方ガイド&イラストデータCD-ROM わたしの文法ノート 初級・わたしのことばノート 初級 漢字たまご 初級 教え方ガイド&イラストデータは付属のCD-ROMに膨大なイラストが入っているので、どの教科書を用いるにしても一冊買っておけば文型の状況イラストや練習用のイラストを探しにインターネットを右往左往する必要もなくなる。 ◆不満 実際の会話に近づけるためなのだろうが、会話内でちょっと過剰ではないかと思えるぐらい文頭に「あ、」がある。全部削除する必要はないだろうが、次回改訂時には検討してほしい点である。 |
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◆説明・感想 みんなの日本語 初級I 第2版 本冊 みんなの日本語はいくつか新旧で種類があり、購入前には学校がどれを使っているか確認の事。 みんなの日本語 1版は時代遅れな語があり、11課の「行ってまいります」は『武士か!』とツッコミたくなるし、「カセットテープ」などの言葉はカタカナのテストなどでは使うが、授業ではほとんど出番を与えない。 詳しいみん日の歴史を『みん日の歴史』にまとめたので、どの教科書が自分の学校で使われているのか参考にしてほしい。 絵カードはこちら→みんなの日本語 初級I 第2版 絵教材CD-ROMブック |
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◆説明・感想 短期集中初級日本語文法総まとめ ポイント20 学生用の参考書、問題集なのだが、教師が読んでもとても参考になる。できれば早めに手に入れて、文型の整理に役立てたい。 それぞれの項ではとても見やすく、授受表現や敬語、活用など、初級で絶対におさえておきたいポイントがちゃんときれいにまとまっている。対訳は英語・中国語・韓国語が解説のところにあるが、問題にはついていない。 ただ、これは飽くまで初級を終えた学生が復習のために買うものなので、例えば助詞ヲを教えるためにこれを授業で使っても、助詞ヲが初めて出てくるような段階では使えない。ヲの用法を解説するのに40課の文型を使って解説したりするからだ。要は初級を消化しないと本書はフル活用できないということだ。 やり方しだいでは、修正液で消して使ったり、切り貼りしたりして使うこともできる。とてもわかりやすいし、対訳もついている本書なので、私は初級が途中でもそうして使うようにしている(が、だとしても使い始めるのは早くても40課辺りからにした方がいいだろう)。 |
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◆説明・感想 日本語の教え方ABC―「どうやって教える?」にお答えします タイトル通り、どうやって教える?に答えてくれる本。文型ごとではなく「推量」「様態」などのようにそれぞれ分かれており、推量では「ようです」「らしいです」「はずです」などが扱われ、それぞれの比較、説明、例文などを絵などを使って解説している。 豊富なアクティビティも紹介しており、巻末にはそれに使う絵が載せてある。拡大して学生に配ったり、教師が手に持って使用できる。 とりあえず初級を初めて持つ先生は何をしたらいいのかわからないので、これを参考にしてもいい。 左のリンク先に「クリック中身検索」あり。 |
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◆説明・感想 みんなの日本語初級1 第1版 教え方の手引き みんなの日本語初級2 第1版 教え方の手引き みんなの日本語初級I 第2版 教え方の手引き みんなの日本語の手引き。ピンクは1~25課。青は26~50課を扱う。 下の手引きより新しい物だが、詳しさという点では下四冊に圧倒的に劣る。しかし、基本的なことはおさえており、進行の仕方も丁寧に書いてあるので、持っておけば安心する。 そしてこの本の巻末には、各課の新出語が品詞ごとに載ってあり、教案やテスト作成の際に役に立つ。 私はその新出語のページをコピーし、教案や教科書に張り付けて、語彙コントロールしている。 左のリンク先に「クリック中身検索」あり。 |
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◆説明・感想 日本語の教え方の秘訣―「新日本語の基礎1」のくわしい教案と教授法〈上〉 みんなの日本語の詳しい手引き。1課~13課を扱う。 悪い点は特にないが、お金がないなら無理して買わなくてもいいかもしれない。みん日の最初の方は『これぞ文型!』というものは出ず、動詞、形容詞の活用をフラッシュカードなどで練習、頭に叩き込むためにとにかく発声して覚える、語彙数を増やす、文字に慣れる期間なので、このテキストがなくてもそんなに困らないだろう。 しかし、初日の授業が1課や5課の時などは、やはりこれがあると安心できる。みん日を使わない学校で教えていても、このシリーズは持っておきたい。 |
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◆説明・感想 日本語の教え方の秘訣―『新日本語の基礎1』のくわしい教案と教授法〈下〉 みんなの日本語の詳しい手引き。14課~25課を扱う。 このシリーズは全部で4冊あるが、このテキストからはお金がなくてもどうにか三冊揃えたい。私が新人の頃はこれを授業前に見て、何度も頭の中で文法事項を整理していた。 4冊すべてに言えるのだが、やはり情報の古さは否めない。私個人の語感にすぎないのかもしれないが、今では普通そう言わないだろうと思う事も是として書かれている事が数か所あるので、そこは省くなどの配慮が必要。文法事項についての説明などは全く問題ない。 |
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◆説明・感想 続・日本語の教え方の秘訣〈上〉―『新日本語の基礎2』のくわしい教案と教授法 みんなの日本語の詳しい手引き。26課~37課を扱う。この辺までくるとだいぶ学生も文型を覚えてきて、類似文型との混同に迷いがち。それらの比較も載っているので、助かるだろう。 ・26課 「どうして」に対しての答え方「からです」「んです」の違い ・27課 可能動詞「見える」「見られる」の違い ・29課 助詞「は」用法のまとめ ・32課 推量の「でしょう」「と思います」の違い ・34課 「Vてから」「Vたあとで」の違い ・35課 3ページにわたる条件の「と」「たら」「ば」のまとめ ・36課 「てください」「ようにしてください」の違い などのどの教科書を使うにしても初級を教えるなら知っておくべき事項盛りだくさん。 |
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◆説明・感想 続・日本語の教え方の秘訣〈下〉―『新日本語の基礎2』のくわしい教案と教授法 みんなの日本語の詳しい手引き。38課~50課を扱う。 ・38課 「Vこと」「Vの」違い(走る こと/の が好きです) ・39課 理由を表す「て」「から」「ので」の違い ・41課 授受表現の指導法 ・43課 赤そう、きれいそう、有名そう、とはなぜ言えないのか ・50課 敬語の指導法 このシリーズ、全てに共通して言えることだが、詳し過ぎる事に注意。学生のレベルに合わせて、どこまで教えるのか、どこを教えないのかは、自分の判断で取捨選択すること。間違ってもできないクラスに、これに書いてある事全てを教えないように。学生だけでなく、先生も半べそで授業を行うことになる。 |
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◆説明・感想 みんなの日本語 初級Ⅱ導入・練習イラスト集 みんなの日本語の導入や練習で使えるPC集。練習CやBではできるだけ教科書は使わず、PCやLCを見せて授業を行う事がよしとされているので、こちらのイラスト集を使うといい。 教科書にもいくつかイラストはあるが、代表的なものだけで、数が全く足りない。 絵が上手な人は必要ないが、絵心がない方はインターネットなどで引っ張って来てもいい。しかし、余計なものが混じっていたり、ごちゃごちゃしていたり、なかなかこれだ!というものが見つからないので、私はよくこちらに頼っている。 PCだけではなく、巻末にはそのPCの使い方、活動のやり方が書いてある。 他にも練習BやCだけでなく、Cの後のゲームとしても使える、すごろくやアパートの間取りなど、豊富なPCが揃っている。 さらに初級のテストでは文字だけでは限界があるのでよくPCを縮小してテストに貼り付けるのだが、それにもよく使っている。 他にも練習C・会話イラストシートというのもある。 新しい方のみん日(第2版)イラスト集はこちら >>みんなの日本語 第2版 導入・練習イラスト集 |
◆説明・感想 留学生のための漢字の教科書初級300 漢字を教える際の参考書は本当に悩む。提出順序や説明、その漢字を使った単語など、本によって実に様々なので、対象のニーズによって厳選しなければならない。この参考書は「ちなみに」私がいいと思ったものなので参考までに。 構成はお手本となる漢字があり、その漢字を使った単語がいくつか列挙され、下には書き練習用のマスが並ぶ、といった形。よくある構成なのだが、なぜ私がこれを気に入ったかというと、課ごとに【駅】【教室で】【私の町】【部首】という風に、テーマが分かれているからだ。特に【部首】は秀逸。巻頭には各国語訳 で『部首』『書き順』の概念を説明している(非漢字圏にはこれをまず説明しないと始まらない)。 もう一つ気に入っているのが、それぞれの課の間にあるコラム。「朝・昼・午前・夕方」をわかりやすく図にしたものがあったり、漢字を楽しく学べるものが載っている。 |
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◆説明・感想 絵で導入・絵で練習(<CDーROM>) 絵で導入と書いてはいるのだが、私はもっぱら練習で使っている。絵がわかりやすいものが多く、各文型(初級で教えるもの)10枚ずつの絵が載っている。使えないものを省いても7,8枚は間違いなく使える。 ◆不満 PCの数が多く、使いやすいものがあるのだが、情報量が多過ぎるPCも少なからずあるのが残念。PCはできるだけ情報を絞って作らなければ学生が困惑して、授業が滞ってしまう。日本語教師がそれを知らないはずがないので、恐らく発注した出版社は日本語のプロだが、発注先の絵師は絵のプロで、日本語のプロではないからこういった事が起こったのだと推測(絵柄がばらばらである事からもそう判断できる)。しかし、ネットの海で探すPCと比べれば十分素晴らしいので、一冊あるといいだろう。 |
ほか活動の参考に。自分でワークシートを作ることもあるでしょうから、そのお手本として、どうやって作ったらいいかを参考にできます。私がよく参考にしているのは2つ目のクラス活動集。発売日は古いですが、ゲームの内容に古いも新しいもありません。
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◆説明・感想 くらべてわかる日本語表現文型辞典 文型の説明も他の参考書とは違った見方があったりするのは読んでいて面白いし、なによりも助かるのは例文の豊富さ!他の参考書では2文しかないものも、これは全ての文型ごとに必ず4つの例文を提示。一つの文型に意味が3つあれば、その意味ごとに例文を4つ載せている。 それから、予想される学生からの「これとこれの文型の違いは何ですか。意味が似ています」という質問にも答えられるように、対比して載せてある。そもそも本の名前が「比べてわかる~」なので対比の項は実に充実している。 では、一つ文型を紹介する。文型は「~てからというもの」 Aという状態になってからは、かなりの時間の経過が必要 例:×朝、薬を飲んでからというもの、昼まで飲んでいない。 一つの文型につきそれぞれ以下のような構成になっている。 ①意味②例文③注意④(あれば)対比⑤(あれば)他の意味⑥⑤の例文⑦接続という流れだ。 ◆不満 接続の欄。それが不親切で分かりにくい。【Naな+~】ではなく、【ナ形容詞⑪】と書いてあり、⑪の形は最初のページで確認するしかない。 左のリンク先に「クリック中身検索」あり。 「くらべてシリーズ」 中級の問題集:くらべてわかる 中級 日本語表現文型ドリル 初級の問題集:くらべてわかる 初級 日本語表現文型ドリル ※初級は問題集のみで、参考書は発行されていない |
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◆説明・感想 やさしい日本語の聴解トレーニング 聴解が苦手な学生も割と取り組む。理由は単純で、『取り上げる話題が面白い』から。 雑学など興味を引くものなどで、先生も楽しめる。 言葉もそんなに難しいものもないので、どのレベルでも使いやすい。 左のリンク先に「クリック中身検索」あり。 |
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◆説明・感想 中級日本語文法要点整理ポイント20 他の多くの参考書は文型があり、それの意味や接続、例文があり、また次の文型と、ただ列挙してあるだけなのだが、本書は違う。 好評だった初級版と 似ていて、「接続の言葉」「語彙を広げる」「否定の言い方」「複文を作る言葉」など、中級で扱う文型をそれぞれの「用法」でまとめている。例えば「複文を 作る言葉-時間-」では、初級では「~とき」「~間」「~前に」を扱っていたが・・・などと説明が入り、中級では「~たびに」「~折に」「~最中に」を使 う、のような具合でまとまっている。 それぞれの用法には問題があり、プリントを作る際の参考にもなるし、例文も豊富にあるので、教案に入れ込んでもいい。 読んでいて、ああ中級の学生が間違えそうだなあ、と感心する。 そして、本書の大きな特長は、200ページを全て日本語で記載し、もう60ページを全て英語・中国語・韓国語で翻訳したものを載せてあることだ。 学生用の参考書なので、学生にはとても役に立つはずだ。私は今のところその翻訳ページを活用したことはないが、学校にもよるが、翻訳したものを渡してもいいのなら、理解の助けになるはずなので渡したいと思う。 ◆不満 初級版とは違って、少し見にくいかもしれない。すっきりしていないというか、全体的にごちゃごちゃしているが、情報量が豊富という言い方もできる。 |
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◆説明・感想 新完全マスター文法 日本語能力試験N2 教科書として使われている学校もあるほどのテキストで、学校で使っていなくても、学生用だが、例文の参考に教師が買ってもいいだろう。 2級の方は一つのテーマがあり、そのテーマに沿った文型が6つほどある。例文は旧完全マスターと比べるとかなり増えている。それぞれ意味や接続、例文があり、最後にその練習問題がある。 ◆不満 ただ、このテキストの例文はどれもかなり難しく、使っている言葉や文が聞きなれないようなものばかりだ。できるクラス、上を目指す学生には手応えがあって いいのだが、そうでないクラスは例文の単語の意味でつまづき、文型どころではなくなっている様子。導入の際は自作の例文などで入れた方が無難。 それから細分化しすぎているのもちょっと・・・読解や聴解は副教材としてもまあ使えるレベルなのだが、漢字など、買う必要があるのだろうか・・・ 新完全マスター 日本語能力試験N2 語彙 |
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◆説明・感想 にほんご単語ドリル~ぎおん語・ぎたい語~ あまり初級の段階でオノマトペを教えるところもないと思ったので、この中級教材のところで紹介しているが、絵などがあり大変わかりやすいので、初級の学生でも興味がある人には個別に渡してもいいかもしれない。 このにほんご単語ドリルシリーズ 生教材を持って行って教えるのが一番いいのだろうが、探すのも持って行くのも大変なオノマトペは、感覚的で、教えるのに苦労するが、これがあれば学生の理解の助けになるし、教師の負担が減る。 左のリンク先に「クリック中身検索」あり。 |
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◆説明・感想 中級日本語文法と教え方のポイント 様々な似ている文型の比較を載せている。学生からよく出る質問と誤用の例、それの答えもある。最初にそれぞれの基本的な意味用法と接続があり、いつ使われるかも実際の会話に即した例文で示している。 またこの本で私が一番気に入っているのは「どのような語と結びつきやすいか」という項。これは他の参考書でも載せてあるものもあるが、この参考書では全ての文型のそれが載っているので、例文を考える際の大きな助けになる。 初級版:初級日本語文法と教え方のポイント は初級の、他の参考書があればそれほど必要なものではない。 |
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◆説明・感想 日本語能力試験 公式問題集 N2 唯一の公式問題集。学生が何を目指しているのか先生がわからないと教えようがない。公式問題集なので、いわゆる参考書のような親切な作りではないが、まずは学生の敵を知るためにはこれは必要不可欠。 内容は実際に出題された問題一回分がそのまま載っている。 また、試験の概要(「認定の目安」「尺度得点について」「問題の構成と大問のねらい」「よくある質問」など)も掲載されており、教師だけでなく、学生も必ず買うであろう1冊。 聴解のCDとスクリプト付き。 日本語能力試験 唯一の公式問題集N1~N5 |
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こういうのもあります↓
>>日本語教師の教室作業―プロ教師を目指すための12章
>>日本語教師のための「授業力」を磨く30のテーマ。
>>日本語教師の7つ道具シリーズ1授業の作り方Q&A78編
◆説明・感想 基礎日本語辞典 私の愛読書。有名な本なので、ご存知の方も多いだろう。 非常に詳しい言葉と文型の解説と、そして実に豊富な例文が載っており、どの参考書を調べても、ネットで検索しても、出てこないものは最終的にこれを見れば解決することも多い。 似ている言葉との比較もあり、非常に助かる。 給料の低い日本語教師、しかも駆け出しの時だと一冊5000円の参考書は高いかもしれないが、可能な限り早めに手に入れたい辞書。 |
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◆説明・感想 どんなときどう使う日本語表現文型辞典 N1~N5の全ての文型を扱っている。発行されたのも最近なので、情報や例文も今風で助かる。例文の数は平均4つぐらい。多くて6つぐらい。 そして一番の特長は、『どのレベル(N)かを書いてある』こと。例えば ばかりに【~だけが原因で】★2 というように書かれてあり、【 】は意味で、その右にある★2はN2で出題される文型ということ。新しい参考書ならではの良さである。 文型の簡単な説明、その下には英語と中国語、韓国語の訳があるので、そのままコピーして学生に渡し理解を助ける事もできる。 さらに情報量の多さにも満足。ある参考書には文型『~をふまえて』がないが、この参考書にはあった、といったことも多い。 索引が少し見づらいが、各ページには「あ行」というように書かれてあるので気にはならない。 左のリンク先に「クリック中身検索」あり。 「どんなときどう使う」で検索すると、6冊出て来る。N1~N3に絞った問題集 |
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◆説明・感想 日本語総まとめ N2 文法 (「日本語能力試験」対策) この動物の載った表紙のシリーズ(リンク先に「クリック中身検索」あり。)のは見た事がある方も多いかもしれないが、改めて紹介する。 学習者用の参考書だが、独自に問題を作る時や、文法事項の整理にも役立つ。人気のN2文法を左に載せてあるが、語彙なども大変素晴らしい。ポイントなどを抑えた解説が参考になる。 日本語能力試験が改定されてわりかし早い段階で出版された本だが、十分に対応している。他にも①学習者の生活になじみのある話題とイラスト付き、②訳は英 語・中国語・韓国語の3つで、理解が遅いクラスにも対応できる。③見開き2ページで見やすい。 など、教師にも、学生にも嬉しい作りになっている。 左のリンク先に「クリック中身検索」あり。 |
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◆説明・感想 新しい国語表記ハンドブック タイトル通りだが、日本語の表記のしかたが詳しく 書かれている。常用漢字表はもちろん・書体について、当用漢字表と常用漢字表との比較・「異字同訓」の漢字の用法・同音異義語の使い分け・書き間違いやす い漢字・現代仮名遣い・送り仮名の付け方・公用文における漢字使用等について・・横書きの場合の書き方、横書きの場合の数の書き表し方・外来語の表記・ ローマ字のつづり方・表外漢字字体表などがある。 他にも「これからの敬語」など、様々なものが載っている。学生に質問されることはないが、全ての教師はこれを基準に教えているので、これを指針にして書き方・表記を統一すること。 これよりも安価で軽い日本語表記ルールブックというのもある。 |
【日本人の知らない日本語+他】
『日本人の知らない日本語』だけを読んで「へえ、日本語教師ってこんな仕事なんだ~おもしろそう♪」と判断するのは危険だが、読み物としては大変おもしろい。内容は学生の質問や会話、また個性の強過ぎる学生から始まる白熱のバトル(?)などを描いている。ドラマ
にもなっているが、そちらは仲里依紗が好きならば見ればいい。漫画の方は教師としての実益も兼ねているのでおすすめ。
そして、その右の「りんごかもしれない」という絵本はL32「かもしれません」で使える本で、元々子ども用なのだが、大人が読んでも楽しめる哲学的で深い絵本。内容はリンゴが実はみかんかもしれない、赤い魚かもしれない、中は機械かもしれない、色々な可能性を考え、想像を膨らませるもので、教室が広い場合は拡大して使うと食いつく。うまく文型も入るのでおすすめ。右端の「ぼくのニセモノをつくるには」は次回作。興味があれば併せて買うといいだろう。
【マンガで学ぶ】
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全て「中身検索」あり。左から『留学生用』『表現の学習用』『会話での表現を学ぶ用』だ。おすすめは左端で、2つの文型を比較したマンガを4コマで紹介している。豊富な例文と練習問題もあり、読んでいて単純におもしろいと思うと同時に作った方々の苦労を考えると涙が出てくる。しかし、文型の説明が違うと思えるものもあるので、それは教師の裁量に任せる。
【ベトナム語の辞書】
・ ・左は高いだけあって例文が豊富。次点で右。
①みん日 初級1 主に宿題などに使う本 | ②みん日 初級2 主に宿題などに使う本 |
③みん日 初級1 翻訳された文法が詳しく載った本 | ④みん日 初級2 翻訳された文法が詳しく載った本 |
⑤みん日 初級1 みん日の教え方が簡単にわかる本 | ➅みん日 初級2 みん日の教え方が簡単にわかる本 |
⑦みん日 初級1 授業中などに使える本 | ⑧みん日 初級2 授業中などに使える本 |
◆①②:主にSの宿題として。しかし、これは手引きの次に開く機会の多いもの。
問題作成のヒントが多く盛り込まれ、テスト作成の際にもこれを基に作ることも多い。
◆③④:Sに配布する場合としない場合があるが、どちらにしても教師は持っておく。
みん日で教えきれないもの、教科書では載せていないが載せた方がいいものがある。所々にあるPCは授業でも大変有益。
◆⑤➅:必須。全初級用参考書の中でも最も早く入手すること。
◆⑦⑧:文型練習帳(文練)。授業中使えそうなプリントなどがある。
しかし、ほとんどそのままでは使えず、飽くまで参考にしてそれを基にプリントを作る。これも③④同様PCが役に立つ
みん日などの教科書(メイン教材)だけでなく、練習などに使う聴解や読解のテキストなど、みん日に準拠した副教材も読み込みが必要。
よく絵カードはどこから引用しているか、どのテキストがいいかと聞かれるのでこちらにまとめておく。④が最もおすすめ。
① ② ③ ④
①と②はみん日に準拠しているのでみん日を使っている学校ならば引用しやすい。さらに①はただの聴解だと思うかもしれないがこれが結構使える。絵が豊富にあるので練習BでもCでも他活動なり導入なりでどこでも使える。それから③、これはみん日準拠ではなく、文型ごとにわかれたものなのでどの教科書を使っていても問題ない。④は付属のCD-ROMに膨大なイラストが入っているので、どの教科書を用いるにしても一冊買っておけば文型の状況イラストや練習用のイラストを探しにインターネットを右往左往する必要もなくなる。
こちらでは参考書以外の、教師に必要な物を紹介している。特におすすめなのはプロジェクターで、紙代もなくなり、絵や動画もA3サイズの8倍になるので、授業をしていても楽しいし、学生の反応もよくなる。
◆説明・感想 スタンプは意外にウケがいい。学生の提出物にひとつひとつコメントをするのは大変骨が折れるが、スタンプなら褒めて伸ばすを機械的にやってくれるのでとても助かる。百均のうさぎやよくわからないキャラクターを自分が押してもらって嬉しいのか考え、嬉しくないという結論が出たのでワンピースやドラえもん、ポケモンなどの版権ものを使い始めたら大変喜んでいた。 高いが、世界的に有名なあのワンピースのキャラクター達が様々なコメントを言ってくれる。男の子なんかは収集癖のある子が多いので、ルフィを出し惜しみすると、ルフィを獲るために必死になる。それから木製のものはやめたほうがいい。添削物は大量にあるので、一回一回朱肉につけて押していたら手間だし、角が硬いので手も痛くなる。 他、その他トトロやスヌーピー、ミッキー、リラックマ、文豪など |
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◆説明・感想 プロジェクターは種類が多く、何を基準にして選べばいいのか悩む。まずは私のおすすめから。EPSON プロジェクター EB-S04 3000lm SVGA 2.4kgは少し重く、A4サイズ程度はあるが、学校に置きっぱなしにできるなら問題ないだろう。文字も鮮明に見える。ケーブルレスの物もある(EPSON プロジェクター EB-U32 3200lm WUXGA 2.6kg)が、値が張る。 プロジェクターはlm(ルーメン)という明度(これが高い程明るい部屋でも色や輪郭がクッキリ見える)が選ぶ際の最も重要なポイントだが、こちらは3000lmで、個人で所有できるlmでは十二分で、授業だけでなく、長期休暇中は家で映画も楽しめる。そして、このプロジェクター最大の利点は「タテ自動台形歪み補正機能」。これは大変優秀な機能で、ホワイトボード正面に機体を置けない場合、斜めに機体を置ける。普通のプロジェクターはこの機能がないので、ホワイトボードに対して正面にしか置けないが、これはつまみを調整するだけで簡単に、斜めにならずまっすぐに映像を映せる。 次点はこちら、スピードタヌキMini GM60 Led Projector 800*480解像度800ルーメン HD解像度サポート1080×1920 LEDプロジェクターVGA/HDMI/AV/USB/TV対応リモコン付き日本語説明書。こちらは1万円で800lmもある。1.3kgで持ち運びも楽で、手のひらサイズ。掛け持ちしている先生だと特にこの軽さに助けられるだろう。しかし、私はどちらも持っているがやはり3000lmを使った後だと800lmには戻れない。 プロジェクターで検索すると、85lmや60lmというのもごろごろある。写真や動画を見せるだけならば、自宅で部屋を真っ暗にし映画を見るだけならば㏐が低くてもいいだろうが、教室で使う場合は用途が異なるので値段が張っても㏐は高いものを選びたい。教室が暗いと学生が眠くなる。 他、プロジェクター一覧 |
ここにあるのは多いように思いますが、飽くまで『最低限』です。本気でやっている方ならここにある参考書+数十、数百冊は家にあります。各レベル上にあるものは家に置いておいた方がいいでしょう。とはいっても、やはり準備の割に給与が少ないこの仕事なので、まずは『最低限中の最低限』のご購入をお勧めします。以下にあるものは必携です。
初級:手引きシリーズの2冊は当然なのだが、秘訣シリーズ4冊も可能な限り早く
中級:文型比較ができるこちらの辞典は最低限。併せて買いたいのがこちらの辞典
全級:八方塞がりの時に助けてくれる最強の辞典
こちらのページの他に
聴解テキスト 読解テキスト 語彙テキスト 文法テキスト
というページも作りました。こちらのおすすめ参考書にないものの授業での使用感や不満点を紹介しています。