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 THE雑記

 『どこでも・どこへも論』どこへ/でも行く・行ける・行きたい

はじめに、助詞にはいくつも用法がある。例えば格助詞ヲ、「ごはんを食べる」「道を歩く」「家を出る」、これら3つの文中にあるヲの用法はそれぞれ違う。左から対象、移動範囲、出発点となる。ここで述べるデやヘなどの用法は、それぞれが持つ用法の一つとしてとらえてほしい。

「行く」はそもそも移動動詞なので、ヘを使わなければならないはずだが、デもいい場合がある。なぜなのか。
デの後に状態性の言葉が続く場合がある。
「旅行どこがいい?」
「どこデもいい」のように、このデモは「何でもいい」「お茶でもしない?」などの例示の用法と同等である。そして、この例示を用いたデモの使い方ならば、デモの後に状態性でも動作性でも構わない。
◆デモ
どこでも〇行ける  ×行けない
どこでも×行きたい ×行きたくない
どこでも×行く   ×行かない

「〜たい」は形容詞として活用し紛らわしいが、意志性を含むためデモの後には続き得ない(形容詞は全て意志性を持たない)。同様の理由で「行く」も不可。しかし、可能動詞「行ける」は動作を表さない状態性であるため可。
例示デモは助詞2つが1つになったと考えられる。すなわち、1つになることで、デやモの持つ働きが失われる。
 ・食堂デ食べる
デは主に後ろに動作性の語を呼ぶが、これが失われる。デは他にも様々な働きがあり、「これデいい」「一人デ大丈夫」「100円デ食べられる」これら他の用法が例示の用法に作用されている。

・・

◆ヘモ
どこへも×行ける  〇行けない
どこへも×行きたい 〇行きたくない
どこへも×行く   〇行かない

例示デモは2つの助詞が1つになっているとは上述の通りだが、ヘモはそうではなく、助詞ヘとモの働きが失われず、それぞれ独立し、機能している。
まず、ヘは方向を示す、「学校へ行く」「北へ向かう」「家へ帰る」。モは初級でも学習する「何も食べたくない」「どこへも行かない」「1つもない」など範囲内の事柄を全否定する(否定する場合、ヲとガは省略されるが、他はしなくてもいい)。
例示の時とは違い、これらは方向と全否定の2つが合わさっているため、ヘモの後の語には意志性がなければならない。

上述により、
 ・どこへも×行ける   意志性:ない
 ・どこへも×行きたい  意志性:ある(状態性ではある)
 ・どこへも×行く    意志性:ある
意志性がある2つ目と3つ目が非文でない事になる。「行ける」は意志性がないので、非文だが、これを「行けない」と否定にすると正用となる。
なぜか。
モの用法の全否定がへの意志性を要求する働きを打ち消すのだ。つまり、意志のない語もモと併用する事で使えるようになるのである。同じ理由により、「〜たい」も正用となる。「行く」は意志性バリバリだが、モの否定用法により非文となる。否定形にしようが正用には成り得ない。

◆まとめ
デモは以上の説明により、「行ける」のみ〇
ヘモは否定なら全て〇、肯定は×

デモの後の語に
 意志性:あってもなくてもいい
 用法 :例示
どこでも〇行ける  ×行けない
どこでも×行きたい ×行きたくない
どこでも×行く   ×行かない

ヘモの後の語に
 意志性:必要(だが、モにより不要な場合も)
 用法 :方向+全否定
どこへも×行ける  〇行けない
どこへも×行きたい 〇行きたくない
どこへも×行く   〇行かない

参.5課A-1『どこも』
参.6課A-2『何も』

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